意見書第3号 石綿曝露対策を国に求める意見書について
議決日:平成17年12月20日
議決結果:原案可決
採決状況:全員一致
意見書第3号
石綿曝露対策を国に求める意見書について
地方自治法第99条の規定により、内閣総理大臣等に対し意見書を別記のとおり提出する。
平成17年12月20日提出
提 出 者 入間市議会議員 宮岡幸江
賛 成 者 〃 山下修子
〃 〃 金子健一
〃 〃 石田芳夫
〃 〃 金澤秀信
〃 〃 山本秀和
〃 〃 田中智義
〃 〃 金子俊雄
〃 〃 近藤常雄
〃 〃 塩屋和雄
石綿曝露対策を国に求める意見書
石綿を材料とした製品を製造、使用している企業の社員や家族、近隣住民が、悪性中皮腫で死亡した事実が相次いで明らかになっている。また、製造企業の労働者の悪性中皮腫がクローズアップされているが、石綿曝露による肺がんの死亡者は、悪性中皮腫の倍の人数に上る一方で、労災認定率は悪性中皮腫の半数と低く、肺がんに対する対応が早急に必要になっている。
石綿肺がんで労災認定を受ける場合、石綿曝露作業暦と事業主、一人親方などの特別加入期間の見直しなどは早急な施策が求められる。
石綿被害は、製造企業のみならず、製品を使用していた造船、自動車、建設、港湾、運輸など多くの業種に広がっている。こうした仕事に従事した労働者、事業所の近隣住民、家族の二次曝露など、被害は私たちの予想を遥かに超える様相を呈している。
また、石綿を使用した建物の解体による石綿飛散の危険も広がり、石綿傷害予防規則にもとづく対策の強化が求められている。すでに、各地の自治体が積極的な調査、相談窓口の設置、総合対策に乗り出しているが、基本的な責任が国にあることは明白である。ついては、石綿被害者の救済と被害の防止・根絶のため、下記の事項について早急に実施するように強く要望する。
記
1.国の対策の遅れを自覚し、「アスベスト問題に関する関係省庁会議」を格上げして、総理大臣を本部長とするアスベスト対策本部を設置し、政府をあげてアスベスト対策を推進すること。
2.業者の保有する石綿含有建材の在庫について、代替品との無償交換をメーカーらに義務付けること。
3.石綿の製造・使用等の全面禁止、在庫回収、安全除去などの被害防止対策の徹底を早急に図ること。
4.石綿の労災認定を抜本的に見直すと共に、国民の健康被害者を救済する新たな救済制度を早急に実現すること。
5.石綿使用施設の解体作業による新たな被害の発生防止に、万全の対策を実施すること。
6.全国の学校施設における石綿製品の使用実態の再調査を実施し、完全撤去を徹底すること。
7.石綿除去後の廃棄物処分場は、全国的に不足している。早急に排出業者と契約可能な適正な処分場を増やすこと。また、適正な価格で処分できるような対策を講じること。
8.石綿の被害は、悪性中皮腫だけでなく石綿肺がんによる被害も増大している。石綿肺がん被害者の多くが見落とされている現状を改善し、被害者救済に迅速な対策を講じること。
9.健康被害に対して相談できる窓口を整備するとともに、診断治療体制の確立と整備、より鋭敏かつ効果的な診断法や治療法の開発のための研究を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成17年12月20日
埼玉県入間市議会