請願第4号 年金制度改善について国への意見書を求める請願書
受理日:平成12年11月27日
付託委員会:厚生常任委員会
議決日:平成12年12月21日
議決結果:不採択(賛成少数)
採決状況:賛成少数
山下修子
石田芳夫
金子健一
対馬ヨシ江
〔要 旨〕
政府は2000年3月、少子高齢化を理由に、厚生・共済年金の報酬比例部分の支給水準を新規受給者から5%削減したほか、既受給者については賃金スライド制を廃止するなど、給付水準を削減・抑制する法改定を行いました。厚生省の試算でも現在70歳の人で生涯300万円、現在40歳の人で生涯1,000万円、現在20歳の人で生涯2,000万円の損失になります。これでは年金受給者はもちろん現役世代の公的年金制度に対する不信感と不安はつのるばかりです。さらに保険料が高くて払えないため、現に国民年金の該当者2,113万人の44.2%にあたる934万人が無年金または将来無年金になるか、わずかの年金しか受給できないというかたちで基礎年金の空洞化がすすんでいます。また農村では、減反政策や米の輸入自由化で農業による収入が減っているため、主な収入源である年金額が削減・抑制されることは死活問題となっています。一方、年金財政は5.5年分の年金支給額にあたる180兆円もの積立金があります。これを計画的に取り崩し、年金のためだけに使えば、給付水準を充実させることができるのです。
次の事項を含んだ意見書を地方自治法第99条に基づき国に提出していただくよう請願するものです。
記
〔請願事項〕
1 すみやかに国民年金(基礎年金)の国庫負担を3分の1から2分の1に増額すること。
2 一般財源による全額国庫負担で最低保障年金制度を創設し、無年金者や低額の年金者をなくすこと。
3 年金受給者の命綱である賃金スライド制を復活させ、人間らしい生活を保障すること。
4 年金支給開始年齢は原則60歳とし、給付水準の削減や抑制を行わないこと。